一人暮らし用に買ってもらう

一人暮らしの友人からの連絡がきて、素晴らしい生活の話を聞かされる。当然憧れもするけど、そっち側には今のところ行く気はない。しかし、月日が経ち衝撃を受けてヘコんでしまう。

「実家だとさあ、台所の鍋とかって全部古いものばっかりなのよね。お母さんの領域だから、好き勝手に出来ないし、しまう位置ちょっと変えただけでも怒られる。でもここなら私の独断場じゃない?実は、、、見て見て!一人暮らし用にって、ねだってねだって、買って貰っちゃった。器具一式!前から欲しくて欲しくてしょうがなかったんだけど、高くて指をくわえて見てるしかなかったんだよ。もう、これがあるだけで料理するのが楽しくて仕方ないよ」

一人暮らしに似つかわしくない

自慢げにシンク下から取り出されたそれは、某有名ブランドが最近一人暮らしの女性をメインターゲットとして発売した、調理器具一式セット。深鍋、フライパン、菜箸や木ベラ、お玉など家庭には当たり前に置いてあるもの。ブランドものだけあって、女性が好みそうなかわいらしい、カラフルなデザインになってる。確か、何種類かのバリエーションがあり、全部揃えると十数万はするはずのものであった。なんという贅沢な、とつい思ってしまう。

一人暮らしのうんちくで説得

そこを指摘すると、彼女は悪戯っぽく笑った。「へっへっへっ。だいぶ説き伏せるのに苦労したわよー。でもね、『一人暮らしを始めるということは、社会的自立の大いなる1歩であり、それに向けて両親からの贅をつくしたはなむけを頂くことによって、幸せな生活をひいては人生を云々』って、適当なこと言って無理やり納得させたわ。結構、時間かかったけどね。数か月間、実家で夕食を作るのを担当していたら、なんとか許してくれてラッキー。」

Copyright 一人暮らしの友人からの連絡 2017
無断転載、無断コピー等一切を禁止します